【有頂天家族】「二代目の帰朝」の二代目って誰のこと?【新作発売記念】
こんにちは!「京都が足りない。」の中の人です。京都を舞台にした小説「有頂天家族」の新作が発売されるということで勝手に盛り上がっております。今回は発売を記念して、有頂天家族の魅力をお伝えする企画「有頂天祭り」の第1回をお届けします。今回は新作の”タイトル”から色々考えてみる記事です!まだ読んだことない人にも配慮して書いたつもりですので是非ご覧下さいませ。
■「二代目」とはこの方の後継ぎのことです。
「有頂天家族」は下鴨神社に生息する狸兄弟の物語ですが、その師匠は天狗なんです。天狗と狸と人間の三つ巴というのが、この「有頂天家族」の物語の醍醐味です。主人公たち狸兄弟の師匠は、「如意ヶ嶽薬師坊」またの名を「赤玉先生」。ちょっと前までは洛中の狸たちから畏怖される大天狗(強大な神通力をもつ天狗)として、狸たちの教育を行ってきた偉い天狗さんです。
ところが、この赤玉先生、ちょっとした事件(主人公が一枚かんでいるのですが)で腰を悪くしてしまい、大空を自由に飛ぶことができなくなってしまいます。そのことで気を落としたのか、出町商店街近くのアパートにこもったまま、隠居状態になってしまっているというのが前作での状況でした。
で、今回の森見先生の日記にあった予告によると、
かつて赤玉先生との闘争に敗北して欧州へ逃れた二代目が帰朝し、新たな物語の幕が上がる。
つまり、赤玉先生の後継ぎ(息子らしいです)こそが新作のタイトルである「二代目」なんですね。
■赤玉先生についてもう少し詳しく
先ほど紹介した「如意ヶ嶽薬師坊」とは大天狗としての名前です。「如意ヶ嶽」というのは当然、銀閣寺や浄土寺の東にある山のこと。東山と呼ばれる山々のなかでは最も標高が高い山であり、「五山の送り火」で有名な大文字山は支峰にあたります。
「有頂天家族」では、他に赤玉先生の友人である「金光坊」や鞍馬天狗の「帝金坊」などといった天狗が登場します。
また、「赤玉先生」の名の由来は、”赤玉ポートワイン”(私たちの現実の世界では”赤玉スイートワイン”)を好んで飲むことからきています。狸たちがつけたあだ名のようなものです。
さて、この「赤玉先生」は、ひきこもってしまっているのに自尊心は変わらず強く、癇癪持ちなので扱いが難しい 。しかも助平(笑)。周りの人から疎んじられてしまいますが、主人公の狸・矢三郎だけは不本意ながらも師匠の面倒をみるのです。この師と弟子の交流も「有頂天」の魅力の一つですね。
■果たして「二代目」はどんな役割を担うのか?
ここからは、自分の推測になってしまいますが、新作「二代目の帰朝」では、赤玉先生の後継ぎはどんな立ち回りを演じることになるのでしょうか。2つの疑問から考えます。
1.そもそも二代目はなぜ帰ってくるのか?
2.もっと言えば、そもそも赤玉先生と何を争って敗れたのか?
1については、赤玉先生の現在の惨状を聞いてのことでしょうか。鞍馬天狗に敗れて、如意ヶ嶽の住処から追い出された赤玉先生の失地を回復するために帰ってきたのか。そのあたりが推測できます。
2については、ほとんど思いつきませんが、「有頂天家族公式読本」によると、二代目はどうも「美貌の息子」らしいですね。そこのあたりにヒントがあるのかなあと^^;例えば、弟子の弁天(こちらは人間の女性)を取り合ったとか・・・。想像だけは膨らむのですが、明確なことはあまりわかりません。
ここまで新作の重要人物「二代目」に関する考察をしてみました。あまりやくにたつ記事ではないかもしれませんが、お楽しみいただければ幸いです。面白きことはよきことなり!ではでは。